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過少資本税制(Thin Capitalization Rule)について

2020.04.16

外資系企業が日本に進出する際、国外にある親会社・関連会社から借入をして、日本における活動資金に充てる場合が実務上多いかと思います。借入の場合には、支払利息(=経費計上可)が発生するため、出資金を少なくし、借入金を多く調整することにより、経費を増やし、税金を減らすことが出来ます。このような行為に一定の制限を加えるため、国外の支配株主からの平均負債残高が、資本持分の3倍を超える場合には、国外支配株主に支払う利息のうち、一定の金額につき、損金の額に算入しない(=費用計上できない)という税制が導入されております。この税制は「過少資本税制」(国外支配株主等に係る負債の利子等の課税の特例)と言われ、英語ではThin Capitalization Ruleと呼ばれています。

●適用要件(下記の算式がいずれも3倍を超える場合)

1.国外支配株主等及び資金供与者等に対する平均負債残高/国外支配株主等の資本持分 >3

 

 

 

かつ、

2.内国法人の総負債に係る平均負債残高/内国法人の自己資本の額 >3

 

 

 

●損金不算入額

支払利子等の額 x (国外支配株主等に係る平均負債残高△国外支配株主等の資本持分x 3)/国外支配株主等に係る平均負債残高

平均負債残高は実務上は毎月末の帳簿価額の平均した金額を使用します。